涙の唐揚げ - 癌の夫と共に

ついにぶちギレてしまいました。
会話部分はそのまま書きますがかなり酷い事を言ってると思うので気分を害される方があったら申し訳ありません。

昨夜は唐揚げを作っていました。
そんなに料理が得意ではない私ですがこの唐揚げは自分でも自信があって結婚前から夫にも好評で何度も作ってきました。
このところ何だか夫と上手く行ってなかったし、私としてはちょっとした仲直りではないですが歩み寄りの気持ちを込めて台所に立っていました。
仕事から帰ってきた夫は早速台所に来て
「おっ。今日は唐揚げなん?葵の唐揚げうまいからめっちゃ楽しみやわ。」その後当たり前のように毒を吐き始める夫。
「今日も思うような仕事させて貰えへんかった。
俺は会社にとってお荷物やからな。」
(また始まった…)
「みんな口には出さへんけど俺の事を役立たずやと思ってるはずや。」
(もう止めてよ…。そんな事聞きたくない…)
「葵もホンマは俺の事、役立たずやと思ってるんやろ。俺なんかと結婚せえへん方が良かったんちゃうん？俺は金食い虫やもんな。別れた方がええんちゃうん？」何故か笑いながら言う夫。

この瞬間、私の中で何かが壊れてしまいました。
「いい加減にしてよ❗」
側にあった揚げたての唐揚げのお皿を床に叩きつけていました。
「毎日毎日、口を開けばぐずぐず卑屈な言葉ばっかり❗ずっと聞かされる私の身にもなってよ❗」
「俺だって辛いんや❗思うように働けへん辛さは葵には分からへんやろ❗俺だってなりたくて病気になった訳やない❗」
「誰もそんな事言うてないやん❗確かに夫さんの辛さは全部私には分からへん。でも自分だけが辛いみたいな言い方せんとって。別れた方がええとか簡単に言うたけど、ホンマに自分の事で私を辛い目に合わせてるって思うんやったら離婚届け持ってきたら良いんとちゃうの？実際、自分に責任が出てくるような行動はせえへんくせに卑屈な言葉ばっかり吐いて。そうする事で自分は可哀想な人やからって何やっても許されるって私に甘えてるだけちゃうの？何一つ辛い思いをしてない私には何をやっても許されるとか思ってんのちゃうの？」ここまで一気にまくし立ててふと床に散らばった唐揚げに目が止まる。
私の自慢の唐揚げ。
夫が美味しいと褒めてくれた唐揚げ。
その夫に喜んで貰おうと作った唐揚げ。
床に落ちたそれはもうただのゴミにしか見えない。
涙でかすむそれを一つ一つ拾い上げてゴミ箱に捨てる。
　　　
　　もう終わったかも知れない

泣いているように見えた夫は黙って寝室に。
今朝もいつもよりかなり早く家を出て仕事に行ってしまいました。リビングで寝たふりをしている私の横を何も言わずに通り過ぎて…。
今日から私も2日間仕事で家を空けます。
冷静になってこのブログを書いていますが私はやっぱり酷い妻かも知れません。
辛い闘病をしている夫の気持ちにちゃんと寄り添う事が出来ず、それどころか酷い言葉を投げ付けてしまいました。言ってしまった事は元に戻す事は出来ません。夫がどういう決断をするのか分かりませんが私はやっぱりこの先も夫の側に居て唐揚げを作りたいと思っています。でも私にはもうそれすら言う資格はないのかも知れません。

気分の悪くなるような内容を書いてしまい申し訳ありません。最後まで読んで下さってありがとうございました。