癌の夫と共に

癌治療を通して人生を改めて見つめ直すつもり😅のブログ

記憶に残る人

以前、私が喘息で入院していた時に同じ病室だった女性の事を思い出す時があります。

その方は当時50才で癌闘病されていました。

1度もお話した事がないのでどこの癌なのかは分かりませんでしたが聞こえてくる看護師さんや家族の方との会話から余り良い状態ではないことは分かりました。

彼女には高校生の息子さんが1人おられたようで週末になると旦那さんと良く病室に来て凄く楽しそうにお話されていました。

 

でも家族が帰った後、彼女はいつも声をあげて泣きました。当時その病室には私と彼女、そして寝たきりの高齢の女性だけでしたが毎回、彼女の泣き声を聞くと私まで胸が締め付けられ自然と涙がこぼれました。その後、彼女が泣き止むタイミングを見計らってたかのように看護師さんが彼女の所へ来て優しく声を掛けながら体をさすってあげていたようです。その時彼女が話していた事がずっと心に残っています。ちょっと記憶が曖昧で少し言葉が違う所もありますが大体以下のような感じでした。

「来年、息子は受験なんやけど私は最後まで側で見守る事は出来へんやろうね。悔しいな…。でもね、私は死んだら星になるって決めたんよ。病気になるまで星とか宇宙とか全く興味なかったんやけど最近ずっと気になってて。星って沢山あるけど何でかなって思わへん?惑星の欠片やって言うたらそれまでやけど私はあの星は大切な人達を残して逝く人の想いが空に登って星になってるんやって思うねん。そう考えたら死ぬのがちょっとだけ怖くなくなった。私は死んだら星になっていつでも息子や旦那を見守るねん。他のどんな星よりも綺麗にピカピカ輝いてずっとずっと見守るんや。」と言っていました。

 

その数日後、彼女は個室に移り暫くして亡くなられたようです。大部屋にいた時に部屋の入り口にあるネームプレートで彼女の名前や年齢は知っていましたが1度も顔を見た事もなければお話した事もない彼女。

でも彼女の話を度々思い出しますし、夜空を見上げて綺麗に輝く星を見つけると彼女や亡くなった身内、親しい人が見守ってくれているんだなと思い暖かな気持ちになります。